漫画や小説、ドラマなどで、料理下手なキャラクターの描写としてよくあるベタなシーンは「やだ!砂糖と塩間違えて入れちゃった!」のようなシーンです。
煮物が異常なほど塩辛くなったり、またはお菓子がしょっぱくて食べられなかったりなど、悲惨な描写が多々あります。

でもこれ、現実世界で実際に失敗する人はかなり少ないのではないでしょうか?

砂糖と塩は、確かにパッと見は白い粉状で、似ているといえば似ているかもしれません。
しかし、一つ一つの結晶の大きさが違います。
塩のほうが粒が粗く、よく見れば色も一粒一粒は透きとおった透明です。
対して砂糖は粒が小さくなめらかで、一粒一粒も塩と比べれば白っぽく見えます。
遠くから見て区別するのは至難の業かもしれませんが、料理をするとなったらかなり近い距離で見ることになるわけですから、この違いに気付かないほうが逆に難しいのではないかと思います。

また、スプーンで掬った時の手触りも違います。塩の方がザラザラで、固まりやすいため掬う時には少々力がいるときもあります。
対して砂糖はさらさらで柔らかく、多少固まっても崩しやすいです。
この二つはスプーンで掬った時の、スプーンを伝って手に届く感触も全く違います。
たとえ見た目で判断できなくても、使おうとしてスプーンで掬った時にはその手ごたえでやはり気付くのではないでしょうか。

なんてことを私は数年前まで思っていたのですが、母が現実に砂糖と塩のチョイスミスを起こしてからは考え方を改めました。
見た目や手ごたえの違いを十分理解していても、間違えてしまう時というのがあるようです。それは、「ものすごく焦っていた時」です。
早く夕飯を作らなくてはいけない。あと数十分で見たいテレビが始まってしまうからそれまでに完成させなければ!と、このように極限まで焦った状態では、主婦暦うん十年のベテランでもミスを犯してしまうことは十分にありえるのです。

結論。あのミスはドラマやマンガだけの話ではありません。