私は注射が嫌いです。注射に限らず、採血や点滴など、血管に針を刺すのは極力避けたいです。
「そんなのだれだって嫌だよ」と思われてしまうかもしれませんが、私には「痛いのが嫌」ということ以外にも注射を嫌がる理由があります。

それは、確実に針を二回以上腕に刺すはめになるから、ということです。
私の腕は、とにかく血管が見え辛いんです。新人看護士さんの自信を喪失させ、ベテランの看護士さんの腕すら煩わせてしまうほどの見え辛さなんです。

刺された回数の最高記録は、左腕四回右腕三回の計七回です。
これは私が五歳の時の記録です。
とある手術を受けるために入院することになった私は、事前の検査として採血をすることになりました。
若い看護士さんが私の腕を見て顔を曇らせたのをよく覚えています。
一度刺し、血が出ず抜く。もう一度試し、ダメで抜く。もう片方の腕なら!と試して、またダメ。
気がついたら私の前には四人の看護士さんが並んでいました。
最初の若い人以外は全員おばさんでした。おそらくベテランの看護士さんだったのでしょう。
「ここならどう?」「いやこっちのほうが」と、四人で顔を合わせて相談していました。
叩いたり、こすったり、いろいろ工夫しながら何度もやり直し、七回目にしてようやく血を取ることができました。看護士さんたちは達成感に満ちた顔をしていました。
採血のために連れて行かれた私がいつまでたっても帰ってこないことを心配していた母は、腕に左右合わせて七つもの絆創膏を貼った私を見て全てを理解し、「よく泣かなかった!えらい!」と褒めてくれました。自分でも、あれだけの目に合っておきながら泣かなかったことに驚いていました。多分看護士さんたちの必死な姿を見て、泣いて迷惑をかけるわけにはいかないと幼心に思っていたんだと思います。

私の腕の血管は未だに見づらく、注射や健康診断の採血の時などいつも苦労しています。
血管ってどうやったら見やすくなんでしょうか?